



















毎日使うマットレスは、寝ている間の汗や皮脂が蓄積し、徐々に黄ばんでいきます。
見た目が不潔に感じるだけでなく、放置するとダニやカビの温床になり、健康や寝具の寿命にも悪影響があります。
マットレスは丸洗いができませんが、正しい手順と身近なアイテムを使えば、自宅で黄ばみを落とすことは可能です。
この記事では、ハウスクリーニングのプロの視点から、黄ばみの原因を解明し、素材別の落とし方や予防策を詳しく解説します。


マットレスが黄ばむ理由の1つは、眠っている間に出る汗です。
汗そのものは無色透明ですが、尿素・塩分・皮膚から剥がれ落ちた皮脂が混ざり合い、シーツを通り抜け、マットレスの繊維へと染み込んでいきます。
これらは酸素に触れることで酸化していき、黄ばみに変わっていくのです。
特に頭部が当たる位置には、よだれや頭皮の脂が、腰から背中の位置には寝汗が集中するため、特定の場所だけが濃く変色していくことが多いです。
また、小さな子供やペットがいる場合、おねしょや粗相が原因となることもあります。
尿にはタンパク質やアンモニアが含まれており、時間が経つと繊維と結合するため、これを放置すると、色の変化だけでなく、ツンとしたアンモニア臭を放つようになります。
黄ばみの原因は表面的な汚れだけではありません。マットレス内部の環境と素材にも左右されます。
日本は高温多湿なので、寝ている間にかいた汗が内部にこもりやすく、カビが発生する原因になります。
また、湿気と皮脂汚れを餌にしてダニが増殖すると、ダニの死骸やフンがマットレスの繊維に深く入り込み、黄ばみの原因になります。
さらに、マットレスの素材によって黄ばみや汚れの定着率が変わります。
例えば、低反発ウレタンやラテックス素材は密度が高く通気性がないので、一度吸い込んだ湿気や汚れを長く保持し、黄ばみが進行しやすい傾向があります。
一方で、ポケットコイルやボンネルコイルといったスプリングタイプは、内部に空洞があるため通気性は比較的良いでしょう。
マットレスの染み抜きでお悩みの方は「マットレスの染み抜き完全ガイド!何を使ってどう落とすべき?」もご覧ください。
マットレスの黄ばみを放置すると、睡眠の質と健康に影響が出ることがあります。
湿気によって発生したカビの胞子や、ダニの死骸を毎晩吸い込みながら眠ると、朝起きた時の鼻詰まり・目のかゆみ・アレルギー・喘息などを引き起こす要因となります。
また、黄ばみを放置して汚れが素材の深部まで浸透すると、繊維の柔軟性が失われたり、ウレタンが硬化して本来の体圧分散性能が損なわれます。
結果的に、10年以上使えたはずのマットレスが、汚れによる劣化で数年しか使えないことにもなり得るのです。


マットレスの黄ばみを落とす前に考えたいのは、天候です。
マットレス掃除は乾燥までに数時間かかるため、晴天が続く日の午前中からスタートするようにしましょう。
次に、準備する道具ですが、中性洗剤・酸素系漂白剤・重曹などの洗剤と、清潔な白いタオルは必須です。
色付きのタオルだと洗剤との反応でマットレスに色移りすることがあるため、白いタオルにしてください。
また、水分を最小限に抑えるためのスプレーボトルや、汚れを吸い出すための古布、仕上げの乾燥を早めるための扇風機やドライヤーもあるとベストです。
準備が整ったら、シーツ・ベッドパッドなどを洗濯機で丸洗いします。
もしカバー類にも黄ばみが移っていたら、40〜50度のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、1〜2時間つけ置きしてから洗うと、菌やニオイを効果的に取り除けます。
全体の黄ばみをきれいにする前に、色が濃い部分的なシミを取り除きましょう。ここで重要なのは、汚れの種類に応じて中和させることです。
例えば、時間が経って茶色くなった血液汚れには、タンパク質を分解するセスキ炭酸ソーダや、傷口消毒に使うオキシドールが有効です。
おねしょなどの尿汚れには、アンモニアを中和して消臭してくれるクエン酸が良いでしょう。
注意点は、ゴシゴシ擦らないことです。擦ってしまうと汚れが繊維の奥に入り込み、取れなくなります。
そのため、マットレスに洗剤をスプレーした後に、タオルを押し付けながら汚れを取ってください。
部分的なシミを取り除いたら、マットレス全体をきれいにしていきます。
まず、ぬるま湯に中性洗剤や酸素系漂白剤を溶かし、そこにタオルを浸してしっかり絞ります。
このタオルで、マットレスの表面を押しながら拭き取っていきます。
水分が多すぎると、中のウレタンが水を吸ってカビの原因になるので注意してください。
黄ばみが気になる箇所には、重曹と水を3:1で混ぜた重曹ペーストを薄く塗り、1時間ほど置いてから拭き取るのも効果的です。
最後に、水に濡らして固く絞ったタオルで、洗剤成分が残らないように二度拭きして、乾燥させれば完了です。
マットレス掃除が終わった後に、手を抜いてはいけないのが乾燥です。
どれだけきれいに黄ばみを落としても、内部に水分が残っていれば数日でカビが発生し、掃除前よりも悲惨な状態になるかもしれません。
これを避けるためには、乾いたタオルでマットレスをこれでもかというほど強く押し、残った水分を徹底的に吸い取ります。
その後、窓を開けて風を通し、立てかけた状態で陰干しするのが理想的です。
これが難しい場合は、扇風機・サーキュレーター・布団乾燥機を使って、直接風を当て続け、完全に乾燥させましょう。


低反発や高反発のウレタン、天然ゴムを主原料とするラテックスは、体にフィットする寝心地が魅力ですが、掃除の観点からはデリケートな素材になります。
これらの素材は、スポンジのように無数の気泡があるため、液体を吸い込むと中まで乾かすことが難しいからです。
黄ばみを落とす際に水が残ると、湿気になって内部にとどまり、カビが発生する原因となるので、表面の生地だけを叩くようにして汚れを浮かせましょう。
また、ラテックスは紫外線に弱く、日光に当てると硬化して割れるため、天日干しは避け、風通しの良い室内で陰干ししたり、扇風機やサーキュレーターで乾燥させてください。
ポケットコイルやボンネルコイルといったスプリングマットレスは、内部が空洞になっているため通気性が良く、水分の乾燥については神経質にならなくても良いでしょう。
しかし水分が内部に侵入すると、鉄製のコイルが錆びる原因になり、ギシギシと異音が発生したり、表面の生地に茶色いサビが浮き出ることもあるので油断はできません。
そのため、硬く絞ったタオルで水拭きした後に、体重をかけながら内部に染みた水分を乾いたタオルに吸わせるようにしましょう。
掃除後は、他のマットレスと同様、壁に立てかけて内部の湿気を効率よく飛ばしてください。
最近SNSや広告で話題の、NELL・エマスリープ・コアラマットレスなどの製品は、複数の素材を組み合わせた多層構造が特徴です。
このようなメーカー品をきれいにする際は、メーカー推奨のメンテナンス方法やメーカー保証を確認しましょう。
多くのメーカーは、部分的なシミ抜きやカバーの洗濯を推奨しており、洗剤や水分の使いすぎには注意が必要です。
また、不適切な水洗いで素材が劣化した場合、メーカー保証が受けられなくなることもあります。
そのため、自分できれいにする前に、メーカーにメンテナンス方法を問い合わせるのが確実です。
もし、マットレスの染み抜きでお悩みの場合、「マットレスの染み抜き完全ガイド!何を使ってどう落とすべき?」もご覧ください。


市販の洗剤や家庭用アイテムを使い分けることで、さまざまな黄ばみに対応できます。簡易的な比較表を作りましたので、参考にしてください。
| 洗剤名 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| ウタマロ石鹸 | 皮脂、汗 | タンパク質分解、中性 |
| ワイドハイター | 全般の汚れ | 酸素系漂白、除菌 |
| オキシクリーン | 広範囲の黄ばみ | 強力漂白、消臭 |
| 重曹 | 皮脂、汗 | 消臭、汚れの分解 |
| クエン酸 | 尿、おねしょ | アンモニア臭の中和 |
ウタマロは皮脂や汗のタンパク質汚れに、ワイドハイターやオキシクリーンは漂白・除菌効果が高く、重曹は消臭・分解作用、クエン酸は尿汚れに有効です。
それぞれの特徴を理解し、汚れの種類やマットレス素材に合わせて使い分けましょう。
マットレスの黄ばみ取りの注意点として、水分を使いすぎないことを解説しました。
その代わりの方法として効果的なのが、ウタマロリキッドなどの中性洗剤です。
ボウルにぬるま湯と洗剤を入れ、スポンジでキメ細かな泡を立て、黄ばみが気になる部分に乗せて10〜15分ほど放置してください。
すると、泡の界面活性剤が繊維の隙間にじわじわと浸透し、固まった皮脂汚れを優しく分離させてくれます。
時間が経ったら、乾いたタオルを上から押し当てて泡を吸い取ります。1回で落ちない場合は2〜3回繰り返すことで、表面の黄ばみを取り除けます。
酸化が進んで茶色っぽくなった頑固な黄ばみは、オキシクリーンやワイドハイターなどの酸素系漂白剤が良いでしょう。
酸素系漂白剤を40〜50度のお湯で溶き、黄ばみ部分に薄く塗布してください。
次に、水100mlに対しクエン酸小さじ半分を溶かしたクエン酸水で、その箇所を再度拭き上げます。
これにより、残ったアルカリ成分が中和され、生地の質感が柔らかく戻り、再変色を防ぐこともできます。
黄ばみを落としても、内部に菌が残っていればニオイや黄ばみが発生します。
そこで水分を拭き取った後の仕上げに、消毒用エタノールを使いましょう。
アルコールは殺菌効果があるだけでなく、水よりも揮発性が高いので、アルコールが蒸発する際に、マットレス内部に残った水分も一緒に蒸発させてくれる共沸効果が期待できます。
これにより、自然乾燥させるよりも効率的に乾かすことができるのです。
特に湿気がこもりやすい裏面や側面にスプレーしておくと、カビ予防の効果も期待できます。


自分でマットレスの黄ばみを取るのには限界があります。
ここまでご紹介した方法を試しても、黄ばみがあまり落ちないときは、買い替えを検討する時期なのかもしれません。
例えば、黄ばみがある場所を強く押してみて、元に戻る力が弱まっていたり、カチカチに硬化している場合、内部のウレタンが劣化している証拠です。この状態になると、本来の寝心地が戻ることはありません。
一般的に、高品質なスプリングマットレスの寿命は8〜10年、ウレタン製は5〜8年と言われています。
もし、黄ばみが発生しているマットレスがこの年数に近い、あるいは超えているのであれば、クリーニング費用をかけるよりも、最新の寝具へ買い替えた方が長期的なコストパフォーマンスは高くなります。
無理に使い続けると健康被害や睡眠の質の低下につながるため、買い替えを検討するのに適切なタイミングと言えます。
マットレスが寿命を迎えていないのに、黄ばみが取れない場合は、プロのクリーニング業者に依頼することができます。
業者選びで重要なポイントは、その業者がスチーム吸引機を使用しているかどうか、マットレスの素材に応じた洗剤の知識を持っているかです。
表面を洗うだけの業者ではなく、中綿の奥に潜む汚れまで吸い出してくれる専門業者を選びましょう。
また、実績・口コミ・対応エリア・料金体系も確認してください。
見積もりや相談が無料の業者も多く、事前にサービス内容や追加料金の有無を確認することでトラブルを避けられます。
価格の目安としては、シングルサイズで10,000円〜15,000円前後、ダブルサイズ以上で20,000円〜が一般的です。


黄ばみを落とした後、あるいは新品のマットレスを購入した後に大切なのは、汚れをマットレスに付けないことです。
しかし通常のシーツだけでは、寝汗や皮脂を完全に防ぐことはできません。ここで登場するのがマットレスプロテクターです。
これはシーツの下に敷く専用のカバーで、防水・透湿性に優れており、水分や汚れを遮断してくれます。
おねしょや大量の寝汗からも守ってくれるので、マットレスの寿命を延ばすことにも繋がります。
加えて、普段から意識したいのが、週に一度の掃除機がけです。
シーツを交換する際、マットレスの表面に掃除機をかけることで、黄ばみの原因となる皮脂・フケ・ダニを取り除きましょう。
また、3か月に1回はマットレスの上下・表裏を入れ替えることも効果的です。
同じ場所に汗や重みが集中するのを防ぐことで、特定の箇所の黄ばみやヘタリを抑えることができるからです。
マットレスの黄ばみを加速させる大きな要因は湿気です。
これを防ぐためには、床にマットレスを直置きせず、すのこベッドやベッドフレームを使用して床との間に空気の通り道を作ることです。
もし部屋の構造上、直置きしかできない場合は、マットレスの下に除湿シートを敷き、毎日あるいは数日に一度は壁に立てかけて、底面を乾燥させる習慣をつけましょう。
また、寝室全体の湿度管理も重要です。
理想的な寝室の湿度は50%前後とされており、これを超えるとダニの活動が活発になります。
雨の日や梅雨時期は除湿機をフル活用し、空気の流れを停滞させないようにしてください。
さらに、朝起きてすぐにベッドメイキングをするのではなく、1時間ほど掛け布団をめくったままにして、マットレスに溜まった熱と湿気を逃がすのも効果的です。
寝汗・皮脂・おねしょなどの汚れを防ぐには、パジャマやシーツをこまめに交換することが大切です。
数週間も同じシーツを使っていると、シーツを通り越してマットレスにニオイと汚れが移るため、週に1〜2回の洗濯が理想です。
また、小さな子供やペットがいる場合は、防水シーツやおねしょパッドを活用できます。
さらに、寝る前にシャワーを浴びることで、皮脂や汗の付着を減らすこともできます。
皮脂は時間が経つと酸化し、落ちにくい黄ばみへと変質するため、その日の汚れを寝床に持ち込まないことが重要です。
この他にも、枕元に大判のバスタオルを敷いて毎日交換するだけで、頭部付近のよだれや汗による黄ばみを防ぐことができます。
今回の記事では、マットレスの黄ばみの原因・落とし方・予防策を詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
この記事で解説した方法を試しても、重度の黄ばみや染み付いたニオイを完全に取り除くのは簡単ではありません。
そんな時はスマイリークリーニングのような、マットレスクリーニングのプロにお任せください。
専用の強力吸引機と素材に合わせたプロ用の洗剤を使い、中綿の奥に潜む汚れや菌を根こそぎ吸い出します。
まずは無料のお見積もりで、プロによる本格クリーニングの驚きのコストパフォーマンスを確かめてみてください。